銅版画 No145 (製版~刷り)

1 製版

アウトラインを彫っていく。

さらに彫っていく。枠組みの中に、人物が浮き出ているようなスタイル。モチーフは、紙幣です。

枠の中は黒。二重の交錯線。

顔。肌の部分の彫りは難しい。柔らかそうな質感を表現するには微妙な明暗の違いをつける必要がある。ただでさえ薄めの箇所で、そこに違いをつけるのは難度が高い。現状、点描でやるしかないと思っているが、点描は経験不足で一歩踏み出せない。

銅版の表面は、手で触れたりすると酸化して変色する。磨けば元に戻るが、そのほかに方法がある。塩と酢を混ぜた液体に漬けると茶色だった表面が一時的にピンク色になる。そっちのほうが絵が見やすくなる。

2 刷り

インクがエングレーヴィングの版に適していない。刷りにくい。

ふき取りにくいので、空白部分に油膜が付着してしまう。その辺の問題は、ふき取りを丁寧にやったり、手を加えれば改善するが、そんなもんいちいちやってられない。このインクは、はっきりいってダメだ。適していない。ドイツ製、シャルボネインク。