今回の銅版画のテーマは、萌え×日本円×和 です。
和風萌えキャラと日本円のコラボレーション。 このモチーフをテーマに、3か月間、12種類の萌え銅版画を制作します。
前回はアメリカのドル札と切手をモチーフとして制作しましたが、満を持して日本円をモチーフに制作します。アメリカドル札で得た経験をもとに、より人が欲しくなるようなコレクター心を煽るような銅版画を制作したいと思っています。
①製版 ガイドラインを彫り、全体像を形作ります。
部分的に彫り進めていきます。
強い線は太い刃で彫り、弱い線は細い刃で彫る。
日本円はアメリカドル札と比べて、線が弱くきめ細かいように感じます。
細い線は銅版画の真骨頂ですが、細ければ細いだけ刃の研ぎの精度と技術が必要なので、避けていたがやっていく。
細い曲線が多い。しかも面としての線ではなく、形となる線なので気が引けない。
萌えキャラの微妙な明暗を点描でより深く表現します。
アメリカドル札で得た経験をフル活用。
日本円の枠付近のパーツ。
アメリカドル札と比べてもともとのモチーフがなんなのかわかりづらいものが多い。装飾的なものだと思われる。
一層目は弱い線で二層目は太い線。
これらもアメリカドル札で編み出したやり方。
アメリカドル札のように背景がMAX黒でないのが懸念。 萌えキャラのグレーと全体的なグレーがかぶって画面が一様になってしまうだろう。
萌えキャラの背後の髪の部分は可能な限り黒を強くして萌えキャラを引き立たせる。
製版終了。
表面を磨く。
インクをのせ、ヘラで詰める。
そして表面上のインクをふき取る。
プレス機に乗せる。
紙をのせ、プレス機にかける。
アメリカドル札と比べて全体的にグレー調なので、遠目から見ると映えない。しかし部分的には繊細な描写が多く、銅版画の性質が生きる。
アメリカドル札は「面」で構成されているのに対し、日本円は「線」で形作られているように感じる。
線がそれぞれアウトラインのように独立した線なので、目立つ。
一本一本の線の荒さが目立ってしまった。
ここは断トツで良い。曲線の良さが生きている。なぜよく感じるのかわからないが、多分シンプルな形で彫りがしっかりしているからだろう。
背後の描写。点描で適当に模様を彫った。アメリカドル札の後半で取り入れたものだが、今回もガンガン使用していく。
顔の部分も、点描で顔の表面の微妙な明暗をつけている。
ピンとこない五千円の部分。大きく強い表現をする部分なので得意とするとこだが、彫りの時点でいまいちピンとこなかった。
銅版画のエングレーヴィングという技法は、筆で描かれた文字を彫るということがない。まったく未経験の領域で、今後どうしていくか考える。
全体的にやはりグレー。とはいえ、彫りはある程度しっかりしているので刷りはちゃんとしている。 日本銀行という文字の下に丸いはんこを手押しして完成。