銅版画No166 萌×和×日本円

萌×和×日本円 8/12作目

1製版

 

アウトラインを彫る。厳密には彫らず、ゆとりをもって彫る。

 

アウトラインを最大MAXの黒として意識する。

紙幣部分は最大MAX黒を、太い線の二重交錯線とする。

太い線の連なりの間に、細い線を彫りこむ。

紙幣の枠の部分の彫り

実物のデザインは無視してアドリブで彫りこむ。

ほとんど適当な彫りだが、適当なほうが結果的によかった。

むしろ適当にのびのびと彫ったほうが良い。

厳密に実物のデザインに寄せると、線が固くなったりめんどくさくなっておおざっぱになる。

紙幣の枠の部分 全体

いままで以上にデザインを無視した彫りをしたが、いままでの枠でいちばんしっくりくる。

白黒のバランスが良い。

 

萌えキャラ部分はアウトラインを最大の黒として彫る。

今まで、萌えキャラの重要箇所の目だけはそういう制約を無視して彫ってきたが、今回はやめた。

 

最終的にアウトラインが強く出てくるのが嫌だった。

でも、その考えをやめた。

萌えキャラは、アウトラインが最大の黒とした場合、萌えキャラのかわいさを最大に生かせる。

あくまで内部の彫りは、アウトラインをサポートするための表現に過ぎない。

 

萌えキャラの頬 弱い線で、弱いトーンで彫る。

 

頬が赤らむ。

 

あざとい

 

あざといくらいでいいんです。それが萌えキャラなんです。

この時点で、なかなかいい・・・。

彫り 終了

版を磨く

非常にキレイ。

彫りの時の版面は、彫った線は黒くでる。(線の溝にゴミがたまって黒い線に見える。)

版を磨くと版面がきれいに研磨され、線の溝もキレイになるので、線が光の反射で白く見え、画像が白黒反転したように見える。

 

つまり、きれい。

ここキレイ。

 

このきれいさは特別だと思います。

石版画も、木版画も、銅版画のエッチング技法でもこんな風に原版が輝くことはない。

インクを詰める。

線の中にインクを詰める作業は刷りにおいてなかなか重要で、一本一本しっかりと詰まるように念入りにやる

一言でいうと、なかなかにいい。

 

全体的に白黒のバランスがいい。萌えキャラ部分の表現もいい。

かなりいい。かわいさ・気高さがあふれんばかりに感じる。最高。

 

 

紙幣部分もとめどなく良い。

一本一本の線は手を抜いた部分が多い。

しかし、白黒のバランスが良さがおおきく出てる。

 

かわいい 

 

地味に髪の部分もなかなかよく感じる。

髪の部分はアウトラインをかなりおおざっぱに彫り、エッジを弱線で彫りこんだ。

近くで見ると、髪の毛が一本一本彫られているような感じなディティールになっている。

 

萌えキャラのかわいさ、紙幣の細密さと気品

それらがいい具合に組み合わさった傑作といえる。

●銅版画の道具紹介5 ビュラン(2)

以前紹介したビュランは、アメリカ製のビュラン。今回紹介するのは、こんな感じのビュラン。

 

どう呼ぶのかよくわからないです。ビュランです。

アメリカ製と違い、柄と刃が分離できる。

柄の部分は木でできていて、木を削って作ったもの。自作。

市販されていないので、自分で作るしかない。

 

 

この形のビュランは、造幣局の職人が使う。

聞いたところでは、コルクを削って自分の手形に合った形の柄を作るらしい。コルクは非常に軽いので、紙幣の超精密な彫りには向いている。

自分のものは、頑丈で重いです。

 

職人彫りようのビュランといえる。

木の柄を手の腹で包み込むようにして握る。