萌銅版画×日本円 9作目
製版 彫り
7日のペースで製版を進めてきましたが、製版のペースを上げようと思います。
紙幣の部分はどこを強い黒にして、どこを省略して彫るかなど、なんだかはっきりしてきてます。
目の瞼の部分はいつも太い強い彫りでいくが、今回は弱線の交錯線をかさねて彫りこむ。
漫画的なトーン調になるのがあんまり好きじゃないのでそうしていたが、さらにディティールを彫りこむために弱線でこまごまと彫る。
瞳の階調は弱線で丁寧に彫る。
髪の彫りについては、今回はだいぶ変えました。
アウトラインを厳密に彫らず、髪の一本一本を彫るように細密に彫っていく。
シンプルですが、なかなかよい。
磨く。
インクを詰める。
インクをふき取り、プレス機へ。
紙を上にのせ、刷る。
なかなか良い。かわいいは満たされている。
地味に肌の感じや手首。手の微妙な陰影が良い。
萌えキャラ部分は文句がない。
ただ紙幣部分の彫りが最低限できてるだけで、特に良いわけではない。
工夫がない。
かわいい!!!
紙幣の部分の彫りがもう少し工夫がいる。
面の階調だけに意識が言ってて、銅版画の『線』の工夫がまったくない。
こういう単調な線は彫る分には楽なので、そこはちょっと考えたい。
●銅版画の道具紹介6 ビュラン(3)
ビュラン三本目。
西洋の彫り師が使用していたのがこのビュラン。
銅版画の資料なんかを見ると、この形のビュランが載ってる。
柄が細長い。刃とストッパーと柄が分離する。
ちょっと前まで市販されていたが、もう売ってない。左から二番目のビュラン以外すべて自作したもの。
柄を手の腹で包み込むように持ち、中指と親指で先端を持ち、彫る。
長い線を彫る時はこの形のビュランのほうが使いやすい気がする。
ビュランの彫り方は二通りあって、職人的な彫りか、絵画的な彫りかで分けられる。
このビュランは絵画的な彫りに向いてる。
一度彫った線にもう一度重ねて彫りこんだり、線の強さに大きな変化をつけやすい。