萌×和×日本円 12/12作目 これでこのテーマの最後です。
製版
黒が強い部分は太い刃で彫る。
版を磨く
インクを詰める
全体的に弱い。
というか、なにを意識して作っていたのか12作目にして曖昧になった感じがある。
絵画的な彫りが問題を生んだ気がする。
職人彫りに徹しきらないといけないところを、半端に絵画彫りで彫っている。
萌えキャラの表情はいい。
紙幣部分が全体的に雑になってしまった。
紙幣部分は職人彫りで貫かなければいかないところだが、絵画彫りの意識がでてしまい、ディティールのエッジがゴチャついてる。
遠目から見るとそんなに気にならないし、多分そんな重要なことではないかもしれないが、やっぱり気になってしまう。
背後の薄い模様が大変だった。
弱く細い曲線で彫らなければならないので、刃がしっかりと研げていることと、繊細に彫ることを意識しないといけないので疲れる。
弱い表現だがそれに反して疲労が大きい。
手の表現とかは慣れてきている。
萌えキャラの顔はかわいいしディティールもある程度しっかりしてはいる。
が、なんか感じなところが欠けている感じがする。
全体的にまあまあというところです。
この銅版画で12作目。萌×和×日本円のテーマはひと段落つきました。
あとの記事でまとめて感想や今後のテーマなど書きたいと思います。
●銅版画の道具紹介 シャープナー
刃の断面を研ぐ道具。
ビュランの刃は側面の両側と、断面を研ぐ。
側面は、砥石の上にのせてこすりつけるように研ぐことができるが、断面は面積が小さいので技術がいる。
そこで使用するのがこの道具。
刃をシャープナーに固定することで断面を研ぎやすくする。
一定の角度を保って研げるので、手で刃を直接もって研ぐより正確ではある。
研ぎの技術がないうちはこの道具を使用して研ぐといい。
このように持って上下に動かして研ぐ。
この道具を使用して研ぎ続けると、気づかない内にシャープナーが無くても研げるようになってくる。
刃の断面の研ぎはかなり苦労した。
非常に職人的な技術がいる。
最初のうちは彫りが下手で刃が折れる。その都度に研ぐ必要がある。しかも技術がないから時間もかかるし精度も低い。
ある程度彫りの技術が安定してきたころには、刃も折れづらくなり断面を研ぐ機会も減っていく。
こっちが刃の側面。
断面ほど研ぐ技術はいらない。
しかし刃を研ぐ頻度はこちらが圧倒的に高い。