銅版画No170 萌×和×日本円

萌×和×日本円 12/12作目 これでこのテーマの最後です。

製版

 

 

黒が強い部分は太い刃で彫る。

版を磨く

インクを詰める

全体的に弱い。

というか、なにを意識して作っていたのか12作目にして曖昧になった感じがある。

絵画的な彫りが問題を生んだ気がする。

職人彫りに徹しきらないといけないところを、半端に絵画彫りで彫っている。

萌えキャラの表情はいい。

紙幣部分が全体的に雑になってしまった。

紙幣部分は職人彫りで貫かなければいかないところだが、絵画彫りの意識がでてしまい、ディティールのエッジがゴチャついてる。

遠目から見るとそんなに気にならないし、多分そんな重要なことではないかもしれないが、やっぱり気になってしまう。

背後の薄い模様が大変だった。

弱く細い曲線で彫らなければならないので、刃がしっかりと研げていることと、繊細に彫ることを意識しないといけないので疲れる。

弱い表現だがそれに反して疲労が大きい。

 

手の表現とかは慣れてきている。

 

萌えキャラの顔はかわいいしディティールもある程度しっかりしてはいる。

が、なんか感じなところが欠けている感じがする。

全体的にまあまあというところです。

 

 

この銅版画で12作目。萌×和×日本円のテーマはひと段落つきました。

あとの記事でまとめて感想や今後のテーマなど書きたいと思います。

 

●銅版画の道具紹介 シャープナー

刃の断面を研ぐ道具。

ビュランの刃は側面の両側と、断面を研ぐ。

側面は、砥石の上にのせてこすりつけるように研ぐことができるが、断面は面積が小さいので技術がいる。

そこで使用するのがこの道具。

刃をシャープナーに固定することで断面を研ぎやすくする。

一定の角度を保って研げるので、手で刃を直接もって研ぐより正確ではある。

研ぎの技術がないうちはこの道具を使用して研ぐといい。

このように持って上下に動かして研ぐ。

 

この道具を使用して研ぎ続けると、気づかない内にシャープナーが無くても研げるようになってくる。

刃の断面の研ぎはかなり苦労した。

非常に職人的な技術がいる。

最初のうちは彫りが下手で刃が折れる。その都度に研ぐ必要がある。しかも技術がないから時間もかかるし精度も低い。

 

ある程度彫りの技術が安定してきたころには、刃も折れづらくなり断面を研ぐ機会も減っていく。

こっちが刃の側面。

断面ほど研ぐ技術はいらない。

しかし刃を研ぐ頻度はこちらが圧倒的に高い。