銅版画 No173 萌×制服×日本円

萌×制服×日本円 三作目

ここまで魂を削る彫りをしてました。

紙幣部分の四隅は確実に彫り終え、体力尽きる。

萌えキャラ部分でもう一度魂を削る彫りをする。

萌えキャラの髪は相当大事な部分だと思う。

銅版画の線表現をうまくかみ合わせることができれば、魅力が倍増するだろう。

髪、顔部分、顔付近の手を彫る。

この辺でまで魂を削る彫りをし、力尽きる。

萌えキャラの顔、頬、皮膚、手の微妙な陰影は、神経を使う。

弱い曲線は彫るのが大変で、とにかく力加減が難しい。

太い線は力で強引に彫れるが、弱い細い線はそうはいかない。

刃が研げてないといけないし、彫っているさなかも常に線の強弱を意識しないと線が途切れたり太くなったりしてしまう。

萌えキャラの重要部分の彫りでは、そのミスが致命傷になる場合がある。

萌えキャラの顔部分以外は、はっきりと言えばさらっと彫っている。

が、胸元の細々しい部分はかなりしっかり彫る。

エッジをしっかり処理すると、細かい部分もしっかり表現されて存在感は大幅に上がる。

版を磨く

インクを詰める。

使用するインクは、ドイツ製版画用インクのシャルボネインク。

シャルボネインクは銅版画インクの中でもメジャーなブランドで、その中にも質の違ういくつかの種類があり、ふき取りやすいタイプのインクを使用。

正直、このインクは使えない。使いこなせない。

No141からこのインクをずっと使用しているが、ダメだ。明らかに画面がにじむ。

インクをゴムへらにつける。

このようにゴムへらにつけたインクを銅版に押し付ける。

ヘラのエッジを聞かせて、線の溝にインクを詰め込んでいく。

実際は、両手でゆっくりとゴムへらを引くようにインクを詰める。

それを上下に2~3回繰り返す。

ローラーを使ってインクを詰めることもできる。

「寒冷紗」という版画用の布を使って、版の表面に付着したインクをふき取る。

元は白色だが、いちいち買い替える余裕がないので使いまわす。そのため真っ黒。

持ちやすいように丸めた布に、寒冷紗をかぶせてそれをこすりつけるようにして、表面のインクをふき取る。

「人絹」という寒冷紗よりもきめが細かいふき取り用の布。

これでさっきと同じようにインクをふき取る。

寒冷紗よりもきめが細かく、寒冷紗ではふき取れない「油膜」をふき取れる。

最後に、プレートマークを普通の布できれいにふき取る。

これでようやくインク詰めが完了。

一枚一枚、これらの作業を繰り返す。

かわいい。

左手のボタンの内部の線表現が、何気ない部分ではあるが良い。

線の強弱をシンプルに生かして、金属の光沢を表現できている。

小さい部分でちょっとした彫りだが、こういう彫りをすべての部分ですることができればもう一段階成長できる。

だが簡単ではない。

製版にはあんまり問題は感じてなくて、とにかく刷りが悪い。

刷りの質の悪さが気になってしょうがない。

せっかくちゃんと彫っているのに、刷りが悪いと意味がない。

背後の曲線なんかは、本来しっかりでるはずなんですが。

 

萌えキャラの顔部分、紙幣の四隅、太い線はしっかり出てるから最低限はクリアしてるが、それ以外の弱線部分がかすれてしまっている。

 

まぁ、インクが悪い。こういうかすれ方も逆に紙幣感を増幅させると思って、我慢します。

全体で見ればなんにも問題なし。

どんどん日本円に慣れてきて、それっぽくなっている。

 

水彩絵の具で着色してみようと考え中。