萌銅版画 萌え×制服×日本円 5作目
製版
今までは
①全体のアウトライン
②紙幣部分 外枠・文字→内部背景
③萌えキャラ
の順で彫ってきたがやめた。
体力のある序盤で重要な萌えキャラ部分と紙幣部分の外枠を彫りこみ、隙間をぬって全体を掘り進める。
線と線の間隔は、多分0.5ミリくらい
彫り研ぎ刷りの質が一段階上がって、線の精度が上がった。
見栄えは十分。
ただ、もっと工夫がいる。線の構成とか全体で見たときの印象とかを変化させていく必要がある。
髪の彫りはかなり細かい線を彫った。
これだけ細かいと、刷りの質に影響が出る。
数枚程度を刷るならこれでもいいが、百数枚刷るとなるとこの細かさをしっかり刷り上げるのは困難になる。
胸のふくらみがいい。線の強弱でふっくらな感じになっている。
紙幣部分。萌えキャラ部分より彫りの緊張がやや緩む。
角度のある曲線を彫るのは面白い。くねくね彫り進めるのは気持ちいい。
強いところは太い刃で彫る。
画面上半分がかなりいい。
上部分が太い刃でMAX黒
順に細い刃を使って、線と線の間隔を狭めていく。
太い刃で彫った円と細い刃で彫った円。
まったく線の印象が違っていて、うまく生かすことができれば武器になる。
刷り上がりを見ればよく分かりやすい。
彫り 終。
写真でおさめるとアッサリ終わってるように感じるが、必死で彫ってます。
刷り 前回同様ローラーを用いて刷る。
版の上にインクをのせたらゴムヘラで詰め込む。
ヘラのエッジをきかせて溝にインクを詰め込む。
しっかりとインクを詰め込むために、さらにローラーでインクをのせ、ゴムヘラで詰める。この一連の動作を、一枚刷るのに2~3回繰り返す。
ふき取る。
プレス機にのせる。
紙を上にのせ、プレス機に通す。
最高ですね。
萌えキャラ部分もかわいいが、紙幣部分の彫りがいい。
特にこの部分
曲線の美しさと明暗のバランス、エッジが効いてかっちり収まってる。
特に気に入ってるのがMAX黒のしずくの形をした部分とその中にある球。
球の光沢がすごくいい。全体で見たときの見栄えがいい。
回りがMAXの黒で、それが生きてる。これはどっかで使える。
髪の彫りは相当細かい。
菱形の刃で彫ったのでなおさら細かい。
ここが最高。
ふしぶしのディティールがしっかり彫れてる。
アウトラインの線の強弱を変えて彫ったのが生きている。
内部の線もいい具合に、重要なアウトライン殺さないように、生かすところは生かしている。
この精度の彫りはいままでできなかった。
あきらかに質が上がった。
地味な部分も地味によくなってる。
ちょっと前までこういう部分は荒くなりがちだったが、しっかり処理できている。
非常に好きな表現。
強力な線と、弱線の連打が組み合わさって奇妙な存在感を生み出す。
これは工夫次第でもっと面白くできるかもしれない。
ふしぶしがきれいに彫れている。
現状が最高かは置いといて、これでも十分満足。
太い線の円と細い線の円。
うまくいかせれば表現の幅を広げられる。
空間を生み出せるような、奥行を感じるような表現ができるようになるかもしれない。
今回のMVPですよここは。
この雰囲気はいまの自分の精神状態に突き刺さる。
不気味な感じがいい。
こんな感じがあると、ものすごく手ごたえを感じられる。
萌えキャラの可愛さとこの不気味さが組み合わせられれば、さらに進化できる気がする。
萌えキャラのおっぱいは本当にいいな。
序盤の2~30枚くらいは安定していい刷り上がりだったが、枚数を重ねるうちにやや質が悪化した。
版表現が上がり、より刷りの技術を磨き上げないと刷り上がりが悪くなる。
現状どうしていいか不明。
全体の感想
質がいままでとやっぱり違う。
命を消費して作っている自覚がある。これは自分だけ感じる変化なのか、他人からみても感じる変化なのかはわからない。
ただ、この制作意識は今後も続けるつもりです。
どれだけ己を削って萌銅版画を作り続けられるか。
萌えキャラと紙幣、版画技法と技術。
ありとあらゆる自分の好きなものを詰め込んだこの萌銅版画に命を消費して制作する。
着色エディション
アクリル絵の具で色を塗つける。(アクリルしかなかった。)
画面全体に着色するのはNo49以来。
通常、刷り終えた版画になんらかの手を加えるのはタブーな雰囲気がある。
銅版画はそもそも黒インクでひとつで、白黒の表現する。そこに色をつけるのは、表現の幅を考えれば理にかなってるような気がするが、どうなんだろう。
久々に着色してみて、筆で塗るのは難しかった。筆圧や絵の具のムラなど改善すべき点が多い。下手すると塗りの浅さが際立って安っぽさをだしてしまう。が、もっとうまく処理できれば可能性が広がるような気がする。