No181

萌×日本円×制服 11/12作目

体力と疲労が大でした。今回はいままで制作したものの中でもトップクラスに大変でした。

 

①製版

今回、萌えキャラ部分を菱形ビュランを使用して彫る。

細く鋭い線がひけるので、もっと厚みのある表現ができると思ってそうした。

菱形ビュランは彫りずらい。力がいる。

刃の差し込みにクセがあり、イマイチ感覚に合わない。

千円紙幣C号券は二度目の制作。

厄介な部分がちらほらあり、彫りなれている萌えキャラ部分を彫る。

 

全体の中央、紙幣部分の円

この辺が細かくてしんどかった。

アウトラインで装飾をかっちり彫る。そこの内部に細い線で面を作る。これがめんどくさい。しんどい。

二番目の太い刃

太い刃の上に、鈍角の刃。

強力な線と細い線を使い分ければずいぶん質が変わる。

右下の植物

めちゃくちゃしんどい。

なんの植物なのか、ちょっと調べても分からなかった。

植物の描画は割と得意ではある。が、それを彫るとなるとしんどい。

 

人の肌や、紙幣の装飾部分みたいにある程度単調な明暗であれば線を決め込みやすい。

植物はどうしても葉や枝が複雑に絡み合うのでややこしくて細かくて、しんどい。

紙幣部分、背後の彫り。

細く薄く彫る。

こんなんは好き。頭を使わずに彫れる。

彫り 終了

 

とてつもなくしんどかった。

結果的に実物の線構成に寄ったものになった。

画がややでかく、その分線の密度も大きい。

表面の研磨

刷り インクを練る

インクをのせる

インクを詰める。

インクをふき取る。

プレス機へ

紙をのせ、刷る。

全体の印象

やや弱いように感じた。

線が鋭い菱形ビュランを多用したので、描画が細かく質が高い。しかし、その分ちょっと黒が弱くなってる。

近くでみると線の質の高さを感じる。

菱形ビュランは昔の職人がよく使ってたんじゃないかと思います。線の質が近い。

デューラーを筆頭に、めちゃくちゃ細密な描画をする作家の線表現は、ほとんど菱形ビュランの線だと思われる。それに近い。

この瞳を見て菱形ビュランの質の高さに気づきました。

線と線の間隔が狭い。菱形ビュランじゃないとこの間隔で彫れない。

 

この瞳もかなりいい。 

今後は菱形ビュランで彫るか。 彫りずらいけど線の質が高い。

右下の部分はシリアルナンバーを別にはんこで手押しするのでやや弱めの彫り。

黒いとこは強い刃で、白いところは菱形ビュランを使用して彫る。

実物の彫りはこの30倍くらい線の密度がある。

 

しんどかっただけに、質が高い。

手。

指先の細かい彫りは徐々に成長している。

なんだかんだムズイ。

弱弱部分は点描で彫る。

点描をうまく使えばよくなる。

時間をかけただけあって、高クオリティー。

しんどかった。

エングレーヴィングの完成度は時間をかけただけよくなるんじゃないかと思った。

線の密度は見栄えに直結する。

ただ、現実的にはある程度おさえて作らないとやってけねー(゜-゜)。

 

 

●最近思うこと

一年前までは10枚~50枚程度刷っていた。今では120枚を刷る。

おそらく今後は一枚の原版で200枚は刷るようになるだろう。

50枚程度刷った版画が、最近のハイペース出品で無くなってきた。ずっと出品し続けてきたものが無くなるとやや寂しく思いました。終

着色エディション数枚