シーズン4(萌×制服×日本円)まとめ

5月から8月にかけての2か月半、12作の萌銅版画を制作しました。

テーマは萌え×制服×日本円

全体を通して、非常に得ることがあったシーズンでした。

1作目 No171

だいたい作り始めの一作目は、なんか安定感を求める意識がでる。

ディティールはしっかりと彫られている。

完成度はシーズン3と比べると一段階上がっている。今シーズンから一日における制作時間を大きく増やしたからだ。その結果、完成度が一段階上がった。

2作目 No172

一作目より攻めの意識がある。萌えキャラを二体彫ること自体、積極的な意識を感じる。

両方かわいい。紙幣部分のディティールも、一作目同様にしっかりと彫れている。

全体的にかなり積極的な彫りで、印象が良い。

非常に好印象を持つ。

 

3作目 No173

前作が良いと、次の作品の質が下がりがちになる。

悪くはないが、特別よいわけではない。気持ちの問題で、前回で力をセーブせずに彫り切ったので、その疲労がでてしまって彫りが甘い。

紙幣に寄せていく彫りだが、よくよくみると甘い彫りがある。前作がボロボロなら、今作の完成度は違っていただろう。

とはいえ萌えキャラ部分はかわいい。

4作目 No174

魂の一作。萌銅版画を制作する上で、分岐点となった作品。「彫り」「研ぎ」「刷り」、それぞれの技術が一段階成長した結果、明確に進化した。自分にとって、極めて大きな変化であり、価値のある一作。

銅版画制作者や、ある程度見る力のあるものであれば、この作品とそれ以前の作品とでは質が違うと理解できるだろう。 

5作目 No175

進化した技術を生かすことだけを考えた。

完成度に疑いなし。

4作目以降同じことを言うことになるので、それを前提としてもっと食い込んだことを書いてくことにする。

曲線を中心に構成するデザインを取り入れる。

彫るのが楽で、好きな表現なので多用している。萌えキャラ部分もかわいい。

6作目 No176

萌えキャラがかわいい。

萌えキャラは結局かわいくなければならない。

銅版画を彫る側からすると、さらに質の高いものを作ろうとしてしまうが、質の高いものを作るということを勘違いしてしまうと、かわいさを簡単に失ってしまう。可愛さは、頑張って彫りこめばいいというものではない。

特に、西洋的な描写感覚では日本のかわいさ・美的感覚を表現できない。そこを勘違いしてしまいがちである。自分の場合。

7作目 No177

前作の完成度が高いと、次の作品がやや変な方向に行ってしまう。

かわいさの意識がややブレてた気がする。

全体的にしっかり作ろうという意識は非常に感じられる。しかし、萌えキャラ部分の可愛さの意識がややブレている。可愛さに対する欲求はもっと素直に、ストレートでなければならない。紙幣部分は文句なし。

8作目 No178

今シーズンは、命を削るような、体力を無視して純粋な欲求で作るという意識があった。その結果大きく質が上がっていいものが作れた。しかし、その反動で体力が持たず、つぶれてしまったのが8作目。

構図が今までにないスタイルで、しかも萌えキャラを二体彫るという積極性。しかし、体力が持たなかった。いいものになれるのに、体力と根性がなく、もったいないことをした。

9作目 No179

前作のふがいなさをふっしょくする一作。

非常によい。かわいさと、紙幣の完成度、文句なし。

萌えキャラ部分が大きく描かれていて、比較的強い線を多用した。それでいて、内部は菱形の刃を使用している。紙幣部分も同様に、強弱の差を大きくつけて画面に違いをつけた。

完成度高い。

10作目 No180

個人的に今シーズン最高傑作だと思います。

萌えキャラのかわいさ、紙幣部分のかっこよさ。

かなりシュッと収まっていて印象がいい。

これといって新しいことはしていないが、それゆえに手馴れているので完成度が高く感じるのか。

11作目 No181

前作がいいと、次の質が落ちる。

この作品の場合、質は下がっていない。根性で乗り切った。しかし、やっぱりモチベーションが低く、制作日数を1~2日伸ばすことで乗りきった。

特に苦労を感じた部分が植物の部分で、彫り始めさえすればすんなりいくのだが、こういうやや絵画よりの彫りを必要とする部分は彫る前に自分を苦しませる。 苦しんだが、結果的には大成功。完成度高い。

12作目。No182

体力、精神力が完全に消滅してしまった。

萌えキャラもかわいく彫れてるし、構図もいくらでもやりようがあったのに、やっぱり彫っている途中で心が折れてしまった。

もったいないの一言に尽きる。

もっとよくできる。省略省略の繰り返してかんとか完成させた。

それが結果的にいい方向に向くこともあるが、う~ん。やっぱり納得するまで作りこんで、それをよしと思いたい。

●おわりに

「彫り」「研ぎ」「刷り」が一段階レベルアップしたのはデカイ。

というか、エングレーヴィング技術の一人前としての最低ラインを超えたと思います。もちろんこの先は非常に長い道のりでいくらでも目指す先はありますが、そんな感じです。

No176、No180が頭一つ抜けて良い。非常によい。共通点は迷いがなくシンプルなとこ。やるべきことが単純で決まってる。この二つは、No172のようなごちゃごちゃした複雑な感じの制作があったうえで成り立つことも忘れるべきでない。

萌銅版画ということで、やはり可愛さに対してはハングリー精神を持つべきだと思います。

もっとかわいさに対して素直に鋭く求めて表現すべきだと思います。

以上。