No186 萌×日本円×水着 4/6作目

萌銅版画の制作

1製版

アウトライン

髪を彫る

体を彫る

萌えキャラを白、背後をグレー、外枠を黒の配色。

体の部分が難しくて弱線でわりと細密に彫りこむ。

アウトラインをかなり強めで内部を弱めの線で彫る。

 

 

このように細い線を彫りこむ。

弱線。

交錯線の彫りは、交錯線用の刃を使用した。

一層目の線を彫るのと二層目以降の線を彫る場合の、刃の摩耗の違いに気づいた。

刃の摩耗が違うと研ぎの仕方も変わる。

一層目の刃と二層目以降の刃の研ぎの違いを理解すると、研ぎの効率と彫り方が変わり、より精度のある線が彫れるようになる。

 

今回の萌えキャラの描写はかなり細かい。

全体の形をアウトラインで細密に形作り、内部を彫った。

 

紙幣部分を彫る。

外枠は黒。

中間の刃でかなり強めに彫る。

二重の線。時間の都合でやや単調で大味な彫りになったが、中心部が細かいので結果的に良く見える。

萌えキャラの頭部の背後。

髪がややグレーなので黒か弱めのグレーか迷った。

細い刃で弱めのグレーを表現する。

体の部分の背後は強めのグレーを意識した。

四角に丸。

彫り 終了。

今シーズンから一枚の原版につき200枚を刷るようになり、原版もそれだけ刷るに値する完成度になるようにしていて、今回もなかなか彫りこんだ。

表面を磨く。

原版は本当に美しい。

私は実物の紙幣の原版を見たことがない。

が、造幣局の職人だった人のエングレーヴィング作品の原版は見たことがあり、素晴らしく美しかった。

原版はこの世に一つしかない。

版画と違い二次元ではなく三次元の工芸品である。だから余計に美しく見える。

刷り

インク練り

インク詰め

刷り

第一印象はやや薄いかな~と思ったが、白黒グレーの配色バランスがよく、なかなか良い。

全体的に非常に細かくディティールの質が高い。

細い線を多用してるせいでぱっと見、弱めの印象をもってしまう。

これだけ細かいと、今使ってるデジカメではしっかりと線まで写しきれない。

 

かなり細かい。

・・・。

 

 

 

かわいい( ;∀;)。

萌えキャラは癒し。ストレスを癒してくれる。

髪の影もいい感じ。

頬の赤らみ、鼻の影がよい。

この微妙な弱さは細いビュランだからこそできる。

線と線の間に、やや短めの線を彫りこんで階調を作った。

太い線で彫ったアウトライン、目、口、鼻があるからこそ弱線が生きる。

もうちょっと強めでよかった。

一面に複雑な凹凸がある時の彫りが難しい。

表層的に彫ったつもりだが、途中でちょっとこんがらがった。

ふともも

う~ん・・・・。

なかなかいい・・・・。

点描をここまでうまくいかせたことはなかった。なんかいつも点描が浮いてしまうが、今回はわりとなじんでる。

面を意識した点描ではなく、全体的にちょんちょんと彫りこむような感じ。

紙幣部分 文字と装飾

細かい部分で、彫りこむのに時間がかかる。

 

内部は全体的にかなり細かい。

 

外枠のこの部分は強めの大味な線。

内部が細かいと相対的にこの線がすごい生きる。

強くしなやかなきれいな線に見える。

総評

いままでの銅版画と比べてかなり細かく描かれている。ちょっと質が違う。

ぱっと見の印象がやや弱いが、よく見ると密度がある。銅版画というより鉛筆画という感じ。いわゆる素描。

彫りと刷りに自信がついてきて、こういう弱い線でもガンガン使うようになってきた。

 

完成度は高い。

●刃の摩耗と研ぎ

刃の研ぎ

銀色の道具がシャープナー。

刃の断面を正確に研ぐ道具。

このように持ち前後に動かし研ぐ。

シャープナーがなくでも研げるには研げるが、断面の研ぎの頻度が少ないのでシャープナーで正確に研ぐ。

一層目と二層目以降の彫りによって刃の摩耗が違い、それぞれによって研ぎ方も変わる。

研ぎ方の違いを理解すると、研ぎの大変さを緩和でき作業効率が上がる。

地味にデカイところでそのおかげで今回の細密さが実現した。

作業台周辺。

ごちゃごちゃ。それぞれのビュランは役目がある。刃によって線の性質、彫りやすい彫りにくい線があり使い分ける。