No187 

①製版

 

今回ややでかい。

アウトラインの段階で大変な気がした。

 

萌えキャラの背後の彫り

太い線を交錯させる。強弱が強い。

線と線の間の空白は菱形の形になる。

菱形の中に点描をして、微妙な階調をつける。

紙幣に昔の銅版画にも使われている、職人的なやり方。

紙幣部分の端

細めの線で彫る。

三重の交錯線。

実物の線構成ではない。

なんとなく黒い部分は黒、グレーで処理する。

ただ全部を面で処理するとかえって軽く見えてしまうので、線を組み込む。

萌えキャラ部分の彫り

線はなるべく控えた。

主に肌の部分は点描で、髪は線で彫る。

最初から萌えキャラの肌は点描中心で彫ると決めていた。

 

この時点まではかなり慎重に彫りこんだ。

萌えキャラ、紙幣の外枠、文字とその周辺の装飾はかっちりと彫りこむ。

全体の中心部はやや省略しようと決意した。

 

中央部の彫り

一面に彫りこむ。

制作時間的にかなりきつかったので、省略の彫り。

一層目を弱の曲線、二層目を強の曲線で交錯させる。

これだけ長い曲線だとうまく彫れない。

 

中央部の上部分

直線。五捨円の文字の背後の装飾がやっかいで、曲線より直線で彫る。

 

彫り、完。

カッチリさせた部分、省略した部分がある。

ただ全体で見ると収まってる気がする。

研磨

インク練り

インクのせ。

インク詰め

インクふき取り

プレス機にのせる。

紙をのせてプレス機に通す。

微妙に横長なのが紙幣感あってよい。

このサイズ感で作ったほうがいいな。

一番は紙幣と同じ比率のサイズで作るのがベストだが。

全体で見ると紙幣の上下の外枠が効果的でいい。そこまで工夫した部分ではないが、偶然いい感じになった。

白黒グレーの階調がまばらで、かつ線もからみあっててなんか細密な感じがでてる。

 

あと萌えキャラがいい。

点描がわりと良い。

点描だとグレーよりも弱い白よりのグレーって感じで、アウトラインの黒が強くでていいかもしれない。

線描だったらもっと黒く固い感じになっただろう。

左の装飾も良い。

一概に面で処理しなかったのが良かった。

丁寧に処理し過ぎてもダメだ。

ある程度省略したり、ちょっと雑に終わらせると深みがでるきがする。

かなりの手抜き部分。

五捨円の文字の部分を白にしたのは時間がなかったから。実物は黒い。

ただ、全体で見ると白で正解である。白でよかった。

萌えキャラ部分はほぼ白。

弱線と点描で処理したので、ほとんどが白。

その背後の面が太い黒の交錯線。

これが良かった。

やっぱり太く強力な曲線はキレイ。

これはキレイ。萌えキャラの背後にあるのもいい。

萌えキャラ部分のアウトラインが結構よい。

鈍角の太い刃を使って彫ったので、強弱がついている。

強弱のある太めのアウトラインと内部の弱線の相性がいい。

点描もなかなかあり。

背中の部位な凹凸を線で彫ろうとすると難しくてだいたいハチャメチャになるが、点描だとなんかぼかせる。

そこまで厳密に処理しきらなくてもなんとかごまかせる気がする。

横乳の丸みはいままでにない柔らかい階調になった。

完全ではないが、なかなか良い。

良い。

ちょっと横長めの比率で作っていくか。

 

●刃の種類と研ぎ

菱形で彫った部分。

50の文字の中の細い横線がそう。

 

萌えキャラ背後の太い線が、鈍角の刃で彫った線。

 

それぞれ線の特徴が違うので、使いどころを見極める必要がある。

 

線表現は表現力に直接かかわってくる。

研ぎ方で自然と刃の形が変わってくる場合がある。90度が基本だが、研ぎ方によって傾いたりする。その辺を理解して刃を整理していく。

どんな刃でも使いどころがある。