試刷り1
銅版画は普通試刷りを何回かこなして、完成させる。試刷りのたびに絵を修正して彫り進める。
エングレーヴィングの場合、部分的にカッチリと彫りこみ進めるのであまり試刷りはしないイメージ。大作の時は試刷りをしていこうと思います。版画は刷ってこそ制作の面白さを感じることができる。と思うようになった。試刷りのように数枚しか刷らない場合は、準備がめんどくさいのが難点。
試刷り二回目
手前の背景部分を彫り込んだ。
萌えキャラ部分の肌と服に点描を加えた。
点描は版を見る段階ではほとんど色合いに変化がない。でも刷ってみるとその効果がわかる。
手前の背景が一様にグレーな感じになった。割と強い黒がでると思っていたが、全体的に黒いので相対的にグレーに見える。奥の背景は点描かかなり弱めの線で、弱グレーで階調を作る。
背景(奥)を彫る
ルーペ3倍
基本的にこれを使用して彫る。
私にエングレーヴィングを教えた銅版画家の先生は、ルーペを使用していなかった。
職人は多分ルーペを使う。
倍率が高いほどより細かい描写ができる。その反面視界が狭くなり、全体とのバランスがおかしくなりやすくなる。職人は彫る線があらかじめ決まっているから、高倍率でも問題ないと思われる。
←↓ルーペ20倍
倍率が高すぎるので基本使わない。
ちょっと気になる細かい部分に線をいれたり点描したり、そんな感じで使った。
製版終了
表面を研磨
インク練り
ローラーで版上にインクをのせる
ヘラでインクをつめる
寒冷紗でインクをふき取る
プレス機へ
紙をのせる
フェルトをしいて刷る
かわいい
版画は刷った時、たいていへこむ。
版上の絵と実際の刷り上がりは、画像が反転することだけじゃなくイメージ的にも違っている。実際の刷り上がりが、版上の絵を上回ることはまずない。だから刷った時にへこむ。
試刷りをすると、ある程度刷り上がりのイメージを事前にもつことができるからヘコみ具合は下がる。
●今回使用した道具など
・ルーペ3倍 15倍 20倍
・ビュラン 極細 極細 極細(長) 中(点描用) 中 大 大(長) 極大
制作を重ねるごとに極細を使う頻度がグンと増えた。
太い刃を使い線の強弱で階調を作るやり方をあまりしなくなった。その表現法は職人のやり方で、難度が高いことに気づいた。