No227

刷り

 

今回刷りを安定させる方法というか、刷りが不安定な理由がわかった。

 

インクを練る

詰める

プレス機へ

事前に湿しておいた紙。

 

刷る際に紙は絶対に湿しておかないといけない。湿し具合は表面がしっとりする程度がいい。

水につけて取り出し、袋の中にいれて3~4日くらい放置したくらいがちょうどいいかも。

湿し具合が直接刷りに影響を与えることはないが、多数する場合フェルトとラシャに影響してくる。※フェルトとラシャ・・・プレス機のローラー周りにある布

3~4枚程度刷るだけなら、湿し具合は関係なく刷れる。しかし数十枚となると、刷るごとに紙からフェルトとラシャに水気が伝わり徐々に湿っていく。そうなると、どういうわけか刷りが不安定になる。(線が途切れたり仕上がりがよくない。)

多分フェルトとラシャの繊維が水気を帯びると固くなるというか、まばらに固い部分と柔い部分ができてしまう、という感じがする。

 

それを避けるため、版画洋紙を紙とフェルトラシャ間に挿入したうえで刷る。

版画洋紙を挟むことで紙の水気がフェルトに伝わりにくくなる。

版画洋紙は基本一度刷るたびに変える。

フェルトに線をいれて、版を置く位置の目安にする。

今までは台の真ん中に置いていたが、四方に版を順に置いて刷る。

そうすることでフェルトとラシャの水気を抑えられる。

 

とにかく、フェルトとラシャの水気が刷りを不安定にさせてしまう。

 

このように刷りは完全です。

小版画は100枚刷りますが、ほぼすべてが高い質の刷りとなりました。

 

彫りがシンプルではあるものの、以前は直線の連打部分がかすんだりしていたのでそこはかなり大きな改善点です。

銅版画はどれだけ製版に力を入れようと、刷りがイマイチだと制作のテンションがガタ落ちする。

逆に刷りがしっかりとできれば、これほど気持ちのいい瞬間はないだろう。

着色 一種