No266

試刷り1回目

 

線と点で一層目を形作る

 

 

彫った直後の線には、「バー」と呼ばれるカスが縁にある。

バーがあるままでは線がくっきりとでないので、それをスクレーパーで除去する。

 

一本の線ごとにしっかりバーを除去するのが好ましい。

このようにスクレーパーを銅板表面に押さえつけ、こするようにバーを削り取る。

試刷り二回目

 

交錯線と取り入れている。

点描の密度をさらに上げる。

 

線と点描と空白だけで三階層ができている。(体の部分)

この状態でも結構いいなと思った。

あえてこの状態で終わらせても、肌の質感的にアリな気がする。腹の部分がいい感じだなと思います。

太もも部分

 

結果的には点描の上から線で影を彫った。

 

全体で見ると点描だけでは階調の幅が弱く、平坦に見える。

そのための線。

太いビュランで一度彫った線の上から、太い線を重ねる。

太い線の強さで変化を作る。(胸の部分)

試刷り3回目

胸から下部分に線を入れ込みわずかにグレーを足した。

気になった部分を調整する。

 

点描よりも線描のほうが変化が大きい。

画面の変化が大きいのでガンガン進むが、絵が壊れやすくなるので注意する。

製版を終え版を磨く

版の角度を変えてみると光の反射の変化で、版表面の見え方が変わる。

この角度だと点描の打ち込みがよくわかる。

 

顔のアウトライン部分の微妙な陰影がやや気になる。交錯線で階調を作ったほうがいいかもしれない。

 

 

とはいえ十分かわいいです。

できることならもう少しムッチリ感のある肌感にです。

今回非常に良かった点です。

 

手の描写は地味に複雑で難しいのですが、結構いい感じになった。

線、点、交錯線、線の太さの変化をふんだんに用いて微妙な凹凸を作る。

 

 

こういうディティールがうまく彫り込めると見栄えが良くなる。

 

大分うまくなっている。細い線、太い線を組み合わせていい感じ。

 

萌えキャラの周囲のトゲトゲは、緊張感を作るために彫った。

萌えキャラの曲線を帯びたムッチリな女体への対比として、直線的なチクチクを周囲にまき散らした。緊張感はでたが、もっと何か工夫できるだろう。