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原版の磨き方について知りたいという方がおられましたので、ついでにと思いブログで紹介します。
いつも原版の磨きはササっと省略しているので今回は使用する道具なども紹介したいと思います。
←原版
これは作品を彫り終えた直後の版ですが、しっかりとピカピカに磨き終えた状態の版でも保存状態や扱い方によっては、時間経過で画像のように版表面が光沢のない茶色になってしまう場合があります。
銅板は通常このような状態が自然です。刷りには影響ありませんが、鑑賞する分にはピカピカのほうが見栄えもいいと思うので、ピカピカの状態に戻すための版の磨き方を紹介します。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=433x1024:format=jpg/path/s75bf99b2ef909398/image/i893dee3890d71a87/version/1651223569/image.jpg)
使用する道具
左、青棒(ホームセンターやダイソーで売っています。固形やや粒子が細かい仕上げ用)
いつもこの2つの研磨剤を使用して磨いています。
どちらか1種類でもOKですが、よりピッカピカにしたい場合や、順序だてて仕上げたい場合は2種類のほうが確実です。
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1、青棒で磨く
青棒は灯油を使用して磨きます。
灯油を使用する場合は手袋やゴム手袋を使用します。
まず、版上に灯油を数滴たらします。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=433x1024:format=jpg/path/s75bf99b2ef909398/image/i709c8662c1306b93/version/1651223570/image.jpg)
垂らした灯油と銅板に青棒を軽くこすりつけます。
青棒が溶けて液状になって版表面に付着します。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=433x1024:format=jpg/path/s75bf99b2ef909398/image/i9b0340df3a655004/version/1651223570/image.jpg)
布で液状の青棒をこすります。
写真がぼけてしまいました。画像ではシャシャッとスピード感のある感じで磨いているように見えますが、ゆっくりと磨けます。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=433x1024:format=jpg/path/s75bf99b2ef909398/image/i5678de47215bfe62/version/1651223570/image.jpg)
青棒で磨き上げた状態。
さきほどの茶色い状態と比べて、明らかにキレイになっています。
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ピカールでさらに磨きをかける。
このように数滴たらして、青棒と同じように布でこすります。
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単純に金属を磨くだけの話なので、こすればこするほど、表面は輝きます。
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磨き終えた状態。
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![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=433x1024:format=jpg/path/s75bf99b2ef909398/image/ifeed5c7fb0739539/version/1651223570/image.jpg)
このように見違えるほど版表面がきれいになります。いざ刷る時は、このように磨きをかけてから刷ります。そのほうが空白部分が真っ白、線がくっきりでます。
銅版画のエングレーヴィング技法は、線がすばらしく美しいです。特に原版の見栄えは版画の中でも一番美しいと思います。もともと貴金属の装飾技術から生まれた技法なので、原版の美しさは折り紙付きです。磨けば磨くほど栄える!
実際に銅板を磨いてみると、また違った銅版画の見方や面白さを感じ取れるかもしれません。わりと簡単にできますのでぜひ試しに磨いてみてはいかかでしょうか。