No290

今回は部分的に完成させていくスタイルで制作しています。

新しい道具の「バニッシャー」です。

これを版表面にこすりつけ、線や点を消します。

銅の表面を押し潰し強引に溝を潰すため、かなりトリッキーな道具です。

 

このように丸くなっています。銅は柔らかい金属とはいえ、油粘土のように簡単にこねくり回すことができません。

指先でバニッシャーの先を押し付けて溝を潰すのですが、なかなか難しい。

顔のほおや胸など、バニッシャーで溝を潰しハイライトを作ればいい と考えました

頭→上半身→下半身と流れるように部分的に彫り込む。

この制作スタイルは結構メリットデメリットがあって、これはこれで問題がある。

(*´Д`)きゃわよ~

貧乳ですから、陰影の調整が大変難しいです。

そこをバニッシャーの調整で打開しようと頑張りました。

結果的にはまあまあという感じです。

銅版は一度彫ると修正できないというのが基本ですが、バニッシャーで溝を潰し強引に修正するという荒業が存在します。

この技術を使いこなせばかなり微妙で精密な表現ができるだろうとは思いますが、かなり難しそうです。

バニッシャーで溝を潰すと、当然版表面はやや丸みを帯びて凹みますが、刷ってもインクがのることはありません。

しっぽの部分はバニッシャーが効果的に働いた。毛の表面の表現は陰影の変化がつけにくく困っていたが、バニッシャーを使うことで微妙な変化をつけることができた。

着色1種

 

黄色よりの着色

 

結構好きです。