No374 @150

ニードルでの描画は基本的にあたりを彫るだけでしたが、今回はお尻の周囲に微妙な陰影をつけたくて、ニードルでの彫りを組み込みました。

ニードルの描画(彫り)はビュランの彫りに比べてはるかに溝が浅く、場合によっては本刷りの際に黒が出ないケースがあります。

ですがその弱さを逆手に利用できれば、表現の幅が増えるだろうと考えチャレンジしました。

ニードルの描画部分。

結論でいえば、やはりニードルの彫りは、ないですね。

このように部分的ではなく全体をすべてニードルで描くと、手描きの絵のような温かみのある表現になるでしょう。でもどうにもこうにも納得がでませんね。

やはりエングレーヴィングはビュランで彫る、これは譲れません。

一から十までビュランで行ききるべき、と思いました。

 

部分的とはいえ、ニードルの線とビュランの線とでは明確に質が違います。どちらが優れているとかはないでしょうが私は断然ビュランの線が好きなんです。