いよいよ刷ります。
原版にある程度納得した後、紙の湿しの期間ということもあり一週間くらい空きました。おかげで頭がクールダウン
とはいえ、これだけ時間をかけた原版の刷りですから結構緊張します。
原版の彫りを終えた後は、かつてないほどの肩こりが発生し大変苦労しました。
インクは念入りに調整します。
二種類の完全オリジナルブレンドとなります。
割合はほとんど適当、という感じです。
正直、刷りに関してはわからないことが多すぎます。
気温、湿度、前日との気温の変化でインクの質(柔らかさや粘度)に違いがあるように感じていて、その変化によって刷りの質が変わります。
なのでリアルタイムで調整するのが良いでしょう。
ただ言えるのは、赤(クリムソン)を加えることでインクが柔らかくなり線の溝に詰まりやすくなるということは間違いないと思っています。
混ぜます。
やがて黒に飲み込まれる。
ローラーにインクを付着させる
インクに汚れや固形物が混ざると刷りに影響するため、警戒します。
版にインクをのせ、詰める。
ヘラでインクの上層を削る
寒冷紗で中層を拭き取る
寒冷紗を別に3種類用意し、三段階に分けふき取りを行う。
人絹のふき取りも二段階に分け油膜を拭き取る。
プレス機へ
版が通常の大版画よりも大きいため、紙のサイズは通常の二倍です。このサイズの紙で版画を刷るのはかなり久しぶりです。
4日かけて200枚を摺り上げます。
版は大きいと刷りも大変になるため、大変です。
線もかなり細いのでインクの詰めとふき取りは慎重にやらねばなりません。
カラーインクは赤、青、緑の三種を刷ります。
カラーインクは総じてインクの粒子が黒よりも細かく、空白部分に色が出てしまいます。
理想ではしっかり線と点のみカラーになり空白は真っ白なのですが、現状ではどうしたらいいかわかりません。
これはこれでいまのところは良いでしょう。
着色(水彩)
総括
非常に困難な制作でした。点描はもうコリゴリと思うほど、精密に点を叩き込んだ製版でした。
時間はどれだけかけてもいい覚悟で臨んだ今作ですが、やはり大変でした。
最終的には満足いく形になってよかったです(´;ω;`)
魂を込めた一作となり、得られた経験も多かったと思います。
制作は大変でしたが、完成した後の解放感は格別です。こういった作品は私の人生でどのくらい制作できるだろうか。
いくつも作るだろうと思いますがそんなにたくさんは無理でしょう。
制作できる限り頑張ります!
※出品について
・サイズが通常よりも大きいため全コレクションには含めず、オークション形式の1円単品で出品(ed1/200から順に出品)する予定です。
●No391ご落札者様の記録(アカウント名)
・原版セット(原版+銅版画ed1/1) zndvs59899 2024.9.2
・試刷りセット(全試刷り+ed10/200) zndvs59899 2024.9.2
・着色(ed1/1) zndvs59899 2024.9.2
・カラーインク(コバルトブルーed1/1) zndvs59899 2024.9.2
・カラーインク(クリムソンed1/1) zndvs59899 2024.9.2
・カラーインク(ビリジャンed1/1) zndvs59899 2024.9.2
・単品(ed9/200まで)
ed1/200 minoyadegupon 2024.8.15
ed2/200 minoyadegupon 2024.8.23
ed3/200 minoyadegupon 2024.8.31
ed4/200 minoyadegupon 2024.9.8
ed5/200 minoyadegupon 2024.9.16
ed6/200 nanka296 2024.9.24
ed7/200 minoyadegupon 2024.10.2
ed8/200 zndvs59899 2024.10.10
ed9/200 koyama_kousei 2024.10.18
※各作品、各エディションごとに御落札いただいた方の記録をしたいと考えたのですが、継続できるかわからないためひとまずNo391のみやってみようと思います。
※敬称略