点描はしばらく打ちたくないため線を彫ります。
点描に比べて線で微妙な階調を作るのが難しく苦戦しています。
数年前はボールペンで絵をよくかいていて、線で描くと妥協が利かなくなるというか、全体の印象が黒くなるまで彫ってしまう傾向にあるようです。
前作がかなり丁寧に制作を進めた反動か、線でゴリゴリと進めていきます。
頭で考えて彫るというよりも、版の上に描かれる画にダイレクトに彫る感じでした。
黒人のような印象になり、まったく予想外な展開になりましたが、これはこれでいいかもしれません。
胸の部分
線を上手く使えれば柔らかな表面を描くことができるのですが、上手くできる気もしませんでしたし、するつもりもなくあくまで感じるがままに彫りました。
こういった無数に交錯する線を彫るケースは、理屈よりも感情を優先する時に適した表現のように思います。
線のみで顔を描くのはほとんど経験がないように思います。
さらに萌えキャラですので、余計に難しい。
正直なことを言うと、途中から可愛さを捨てて人物の実体の形にのみ焦点を当てていたと思います。
というかNo391の後から可愛さへの欲求が急激に薄まり、
人物の形や体の表面を描きたいという気持ちが強くなっていたと感じます。
全体で見たとき、胸の部分が良く感じます。
制作直後はあまり良い印象は持ちませんでしたが、
時間が経つとそこまで悪くないように気持ちが変化するのが不思議です。